[コメント] 金子差入店(2025/日)
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超短髪はこのためだったのかとやっとわかった。奥さんである真木よう子の肝の座り方と強さが魅力的。それにしても味のある役者さんばかりで配役もピッタリ。
根岸季衣が最初笑顔で去るときにその朗らかさの分、金子の重さが一気に来たのうまかった。朗らかで温かみのある金子のときも、それは丸山隆平ではなくて金子だった。普段、丸山隆平であるときには見ないような態度や様子がやけに迫力があって怖かったのも、やっぱりそれは金子だからなんだった。眼で語るのと頬・鼻周りのピクピクあれはすごい。無意識なのか感情が乗ってそうなってしまうのか。
北村匠海の演技もすごかったし、寺尾聰の存在には救われたし、挙げればきりがない。映画の宣伝をたくさんしてて忙しいなあと思ってたけど、これは出演者からしても宣伝をして観て欲しくなる映画だろう。重い話だし、変わらない現実もあるけど、それも含めてよかった。良質な映画だと思う。
言い忘れ。岸谷五朗の迫力よ……。
追記。 一晩おいて改めて。アクションや派手な動きがある映画を映画館で観たいと思いがちだけど、この映画は映画館で観てよかったと思った。役者さんたちの繊細な表情や動きを観られたり、物語への没入感がある。
役者さん全員の名前を挙げたいくらい、賛辞を贈りたい役者さんばかりだった。誰かが悪目立ちする演技をするわけではない、しかし渾身の演技。演技でぶつかり合うというより各々が最高の水準を出し合っている感じ。誰か一人欠けたら成立しなかったような繊細なパズルのような映画だったとも思う。
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