[コメント] 甘い汗(1964/日)
なんて蒸し暑さだ!頭がクラクラする。そしてそれを振り払うように跳ね回る桑野みゆきが健気で愛らしくってたまらない。松竹時代の100倍は輝いて見えるし『にっぽん昆虫記』の吉村実子にも比肩する。だから俺もいってやりたい。「泣くなよ、竹子!」
豊田映画だから、あったりまえなのだが、女優たちが須らく素晴らしい。
桑野と、主演の京マチ子は勿論のこと、池内淳子の台詞回し、沢村貞子の愚痴っぷりは絶品だったし、千石規子の卑屈さ、野村昭子のインチキ臭さも忘れがたい。木村俊恵、川口敦子も憎憎しい役どころを好演していた。(市原悦子は市原悦子のまんまだったが・・・まぁそれもまた善し)
水木洋子のお話も面白い。
「戦後」を引き摺り、「経済成長」の波から取りこぼされた憐れな年増女に注視するこの映画は、その年開催された東京オリンピックについて一言も触れていないがしかし、そのことが却って作品の同時代性・批評性を逆説的に高めているように思う。
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