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[コメント] 火垂るの墓(1988/日)

途中までは確かになける内容ではあったが、正直出てくるキャラクターがみんな感情移入しにくいので話が進むにつれて段々イライラしてくる。
わっこ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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戦中の日本を2人だけで生き抜こうとした子供の映画。

前半は確かに泣ける内容ではあったのだが登場するキャラクターが正直、感情移入しにくいやつばっかで話が進むにつれて段々イライラしてくる。

そもそも清太が世間を知らなかったことより以前に清太の親のしつけ自体がなっていないと思う。確かに清太は居候している身なのに働かないで節子と遊んでばっかなのも悪いのだが、それ以前に居候する前に節子を清太だけに任せようとする清太の母親も無責任。特に序盤の空襲から逃げるシーンは正直母親よりも後から逃げることになる清太の方が身に迫る危険は高いのだから、この場合先に逃げる母親が節子を連れて逃げるのが普通だと思う。また空襲くるかもしれないというのにえらく呑気な母親もどうかしてる。いくら心臓が弱い母親という設定だとしても展開に無理がありすぎ。また節子が居候先の伯母に対する発言も清太の態度も後々考えれば母親の教育がなってないからなんだと思う。

また居候先の伯母もいくら他人で戦争中であったからとしても働かない清太に対して何も指摘しないのはおかしい。ぐうたらしているのが気に食わないのなら居候させてる立場なんだから、働けとぐらい言ってもいいと思う。そもそも自分の子供にだけしかも愚痴っぽくしかいわないのも性格として嫌なやつだと思う。他にも出てくる人物も戦争という時代だからそういうやつなんだといわんばかりな描きかたをしているので好感が持てなかった。もう少し魅力的に感じる部分を出してもいいのではと思う。

高畑勲は構成能力はいいと思うが、ストーリーをまとめるキャラ設定の仕方が下手なのでいくら感動的な話でも感動しにくいことがある。

ストーリー的にも序盤で死んだ清太の生前の生き様とわがままな性格から節子を死なせてしまったということを普通に描いているので特に面白味がなかった。

映画としては節子役の白石綾乃の声の演技が実にうまいので御都合主義なストーリーでもまずまず感動できるようには出来ている。しかしもうこういうわざとらしい泣かせ映画は勘弁して欲しい。

(評価:★2)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)ダリア[*] stag-B[*] こしょく[*]

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