[コメント] アラバマ物語(1962/米)
米国映画協会が過去100年の映画ヒーロー・ベスト50を発表し、グレゴリー・ペック演じるフィンチ弁護士がトップに選ばれた。彼が亡くなる1週間前のことだった。PS.ラストの新人俳優の芝居は尋常じゃないね。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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今更ながらですが、原作が原作だからストーリー的には申し分の無い内容です。
無邪気な子供が社会の機微を感じて成長していくヒューマンドラマをベースにしっかり置き、法廷ドラマもあり、ホラーサスペンスの要素までをも盛り込んである。それでもラストに向かって数々のドラマが1本に集約していく様は見事なのである。
それでは映画としてはどうかというと、映像も音楽もストーリーを邪魔する事なく、原作の空気をこれまた見事に支えています。
そして何よりも映画的な成功を物語る1シーンがある。ラストに登場する新人俳優は一言の台詞も無いのだが、「目」で芝居をしてみせた。ペンで描くには数行を費やして感情の内面を描写せねばならぬところを、この俳優は瞬間的に直接に表現してみせたのだ。たったの1カットで観客は彼の歩んできた人生やら秘めた感情までも刻み込まれる。
この後の大俳優ロバート・デュバルという新人を発掘、登用したことだけでも見る価値は充分である。
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