[コメント] アラバマ物語(1962/米)
白人は下。黒人は上。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
どんな場所より公正を標榜しているはずの裁判所でさえ、傍聴席は階下は白人のみ、二階は黒人のみと完全に分けられていた、30年代アメリカ。陪審員でさえ白人のみのこの裁判で、どれだけ公正な判断が下されるかは推して知るべしだ。どう考えてみても、この映画の容疑者である黒人青年が犯人であるはずがないのは、火を見るより明らかであっても。
そんな中、父親の仕事ぶりを見ようと忍び込んだ子供たちは二階席でその様子を見守る。白人の子供なのに自然にそこにとけ込む様子は、いかに子供たちが差別という概念を持たずに育てられたかを物語っているようだ。
現に、マナーが悪い娘を黒人のメイドがお尻をぶって躾けている場面など、血の繋がりや人種に関係なく、態度が悪い時は叱られるんだと、グレゴリー・ペックの家庭の方針に微笑ましささえ感じた。
この当時から70年以上経った2009年、黒人であるバラク・オバマ氏が大統領就任を果たした。アメリカとは何も関係の無い私でも、感慨無量の思いがする。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (5 人) | [*] [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。