[コメント] ゲーム(1997/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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ゲームは、不合格を伝える1本の電話から始まる。事業に成功した自信家のニックにとって、おそらく体験したことの無い不合格の烙印。この結果、半疑状態のCRSへの関心は決定的なものになった・・・
この1本が、CRSのことを全く忘れていたであろう会議中の電話、心の隙を突いた電話であったことも見逃せない。このゲームの導入は、ニックだけでなく、私の心(鑑賞者の心)を捉える事に見事に成功した。
話はとんで、ラスト。弟を殺害してしまった後、父親と同じように飛び降り自殺するニック。この映画のオープニングの8mmフィルムの映像がフラッシュバックする。ああ、やはりこの家族は悲劇で終わるのか・・・、と、思いつつも何かまだありそうな期待も残る。
そして、もう一つのラスト。そう、ゲームの終わり。兄弟は心から抱きあう。ニックは人生の舞台から飛び降りることで、文字通り新たな人生の希望をつかんだことだろう。
注目すべき点はこのラストのパーティ会場で、騙される立場(ニック)、騙す立場(CRS)、何も知らない傍観者の立場(弁護士、解雇された社長、元妻)の種明かしがあった点だろう。ゲームは、やっぱり攻め手、受け手、そして傍観者みんなが楽しまないとね、と、言うことでしょうか。いわゆる一つのパーティみたいなものなんだし・・・。
個人的に最も楽しそうに見えたのは、常に先手を打たなければならないCRSのスタッフ。おそらく、ニックの行動パターンをいくつも想定して、何人ものバックアップの役者がハラハラドキドキしながらスタンバっていたことだろう。(これをゲームと呼ばずして何と呼ぶ?)
結局、一番ゲームを楽しんでいたのは、CRSなんじゃぁないでしょうか? それじゃ〜 CRSも一部経費を負担するのは当然でしょう。 もしかしたら請求は、意外に安かったのでは? 誕生プレゼントなんてゲームの口実な訳だし、生まれ変わったニックが(安いからといって)全部払うといわずに、俺たち兄弟で割り勘にしようというのも有りだと思うし・・・。 な〜んて無理な解釈が出来るのは、請求金額が明示されなかったお陰ですね〜。
いや〜 いいゲーム 見せて貰いました。
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