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[コメント] 秋津温泉(1962/日)
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★4長門裕之の性欲にはコミカルなムラがある。病気にかこつけてセクハラをするあたりには、林光の劇伴と喜劇に対応する体の切れがないために分かりにくいのだけど、森繁喜劇とはまた趣の異なるファースが感ぜられる。 [review] (disjunctive)[投票(1)]
★5戦後の復興を背に鄙びた温泉旅館で黴ていく女。男は死の縁から女の精気に救われながら無為に生を消費するしか敵わない。そんな腐れ縁の編年記を時代を負った数日ごとの逢瀬で綴った構成から成島の膨よかな撮影がロマンティシズムを抽出して已まないのだ。 (けにろん)[投票(3)]
★4メロドラマとしては増村清作の妻』や成瀬浮雲』、溝口近松物語』と並んで代表作だろう。奇抜な位置ながら照明をきちんと当て、下らない「作家性」などとは無縁の見事なショットの数々。鏡・窓・水・傘といった装置が印象的だ。オーヴァーラップでの時間の省略がまた美しい。岡田茉莉子のうなじが実にエロティック。 (赤い戦車)[投票]
★4長門裕之じゃダメだ。芥川比呂志じゃなきゃ、ダメだ。 [review] (ぐるぐる)[投票(1)]
★5この映画が描いているのは男女の機微と時代の機微。そして岡田茉莉子の凄さ。ゾクゾクするほどメロドラマ! [review] (ペペロンチーノ)[投票(3)]
★4女という器から男という器へ注がれる生気。女の器が徐々に空になっていく過程が恐ろしいほどよく描かれています。 [review] (づん)[投票(5)]
★3冒頭からのカメラは素晴らしい。恋物語を突き放しきって撮ったと思しき冷徹な風景描写は大したものだ。しかし恋愛のカタチの変遷は気の利いたガジェットにすらなり得ず、底冷たい空気が始終漂う。観念的な会話劇に無理矢理捻じ込まれたエロスの何と窮屈なことだろうか。 (水那岐)[投票(1)]
★4終戦の日に男は死と生を同時に見つめ、生を選択する。女は男に生を与え死を嘲笑する。これはまさに敗戦の屈辱を味わった日本人の姿そのものではないかと思う。 [review] (TOMIMORI)[投票(1)]
★3成島東一郎の映像はやはり素晴らしいが、音楽が前に出すぎてぶち壊し。岡田茉莉子の心の動きにあまり説得力が感じられなかった。 (檸檬)[投票]
★4上手い。なんて上手い映画なんだろう。秋津の自然とのコントラストも美しい。抽象的な言い方だけど、映画的な空間が詰まった作品。 (リヤン)[投票(1)]
★5女が変転していく様とそれを冷厳に捉えるカメラの眼差しに心揺さぶられずにはいられない。これは成瀬『浮雲』と双璧の寂寥。さらに全編に亘って極めて美しい、しかし冷たいスペクタキュラーな画が溢れており『浮雲』よりも私の好み。ラストの俯瞰ぎみの横移動も凄いが津山の散歩シーンの桜が見える縦構図なんかも本当に素晴らしい。 (ゑぎ)[投票(6)]
★3映画と映画ファンには中身ばかりでなく「見た目」も大事だ。小汚い格好をして腕組みして哄笑してけつかる自称映画マニアなぞ死んだ方がよいとさえ思っている。喜重先生は、自身の結構渋目の風貌に反して、ときどき無茶をなされる。 [review] (町田)[投票]
★3浮雲』の富岡(森雅之)とゆき子(高峰秀子)には、惰性といえど惹かれ合う関係性を感じるが、周作(長門裕之)と新子(岡田茉莉子)には関わり自体の否定を感じる。それが作者の世代差なのだろうが、恋愛物語としての説得力は今ひとつ。 (ぽんしゅう)[投票(1)]
★4ラストとそれにいたる過程。岡田茉莉子、うまいなあ。 [review] (セネダ)[投票(4)]
★3メロドラマも松竹ヌーベルバーグの吉田喜重が撮るとモダンアートになる。冷たいエロティシズムを匂わす岡田茉莉子を引き立たせた「水」「雪」「ガラス」「鏡」「桜」。撮影成島東一郎の本領発揮である。 (sawa:38)[投票(3)]
★4何と言っても岡田茉莉子に尽きる。ちゃんと老けも心理の変化も表現出来てた。独特の迫力を持った女優だ。['03.3.6高槻松竹セントラル] (直人)[投票(3)]
★4世の中がどんどん変わっていくのに忘れられない男と女の情。 林光のブラームス3番っぽいメランコリック弦楽はいい曲だが 使いすぎの感が。 [review] (マグダラの阿闍世王)[投票(2)]
★2期待しすぎたか?様式を守らないのは吉田喜重の嫌いな部分で、音楽がうるさいしカメラが甘い。「木綿のような女」という形容あたりは、好きな部分です。 (オノエル)[投票]
★4岡田茉莉子の美しさが哀しさと比例しているようで胸を打つ。秋津の四季にも酔いしれる、静かで熱い重厚なメロドラマ。 (picolax)[投票(1)]
★4あまりに文学的。また仏映画の心理映画風。映像はこの時から既に秀逸。やはり、長門の役は彼以外だったらもっと引き締まったと思う。それでもこの時の日本映画の勢いを感じる。 (セント)[投票(6)]
★4基本的には、当時流行のメロドラマ風を装っているが、一人の女がどうしようもなくなっていく過程が、岡田の渾身の演技により表現されている。 じりじりと終わっていく感じが、手に汗を握らせる。長門はミスキャスト。当初の芥川で頑張って欲しかった。←病気により降板。 (入江たか男)[投票(4)]
★3翌朝の岡田茉莉子の可愛さといったらなかったが、 [review] (G31)[投票(2)]
★4日本の変化を長門裕之に表象させてしまう凝ったつくりですが、男女の物語としても楽しめました。成島東一郎の撮影もいいですね。 (動物園のクマ)[投票(3)]
★3最初、桑田さんかと思った。男の甘えって描くと嫌らしくなると思うが最後まで見ることができました。 (ジェリー)[投票]
★3主役の岡田茉莉子は後に本作品の監督夫人となるが、日本の女優には珍しく若い時から独特の色気を放っていた。 (丹下左膳)[投票]