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[コメント] ネバーエンディング・ストーリー(1984/独)

本作こそ「虚無」そのもの。
いぐあな

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







わたしがこの映画を見た時は、まだ小学生で、原作も読んだことはありませんでした。 そんな子どもでも、真剣に、メッセージの意味を考えながら見てればわかります。 前段でちゃんと教えてくれたすばらしいファンタジー(つまりは原作をあざむかなかった部分だけど)と問題提起をひっくり返す結末がふってわいたことぐらい。 現代人が目先の現実ばかりが真実だと思うようになったことでファンタジーの世界が虚無に侵された(原作も映画も確認していないので言葉は違ったかも知れないが、そういう意味だと思えた)。最後にバスチアンが実現した自分の望み、あれこそ目先の現実じゃないか。つまり、ファンタジーの世界を「いじめっ子へのし返し」という虚無でバスチアンは覆い尽くしてしまった。それがハッピーエンドか!?ファンタージェンはどうなってしまったんだ?

映画のラストシーンに裏切られた私は、原作もそのような浅はかな作品だと思い、その後いろいろな場面で読む機会があったものの5年ぐらいは拒否してきました。 文学少女でしたから、自分の好きな作家がすすめる作品として、または作家として幾度もエンデや「はてしない物語」の紹介を目にしたのだけれど、映画のことが頭にあったので読まなかったのです。そうでなければもっと早く読んでました。 映画とは違う結末、と知ってから読んでびっくり。 今では私の中のNo1作家です。その後エンデのほかの作品もたくさん読みました。 読むのが遅れたことを後悔しています。あの映画を恨めしく思っています。

「原作と別物として見ればいいじゃん」という意見は、原作知らずに私みたいな感想を持った人もいることを無視していますね。批判している人がすべて原作の先入観で見ていたと思わないでほしい。

(評価:★1)

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