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[コメント] スリ(1959/仏)

 無思慮、無軌道、無分別。恋愛、仲間、悪い奴。親も大人も関係ない、唯一無二の青春映画。
にくじゃが

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 滑らかな手指の動きとそれを追うカメラの動きに感嘆した作品だった。ここから喚起されるハラハラドキドキ感、ああ悪いことしてるんだあ、こんな感じを共有させてもらった。

「金を稼ぐ手段が他にない」そんなのは言い訳にしかならない。最初から何もかもできる奴なんてほとんどいない。それなのに、先のことなんか考えずに楽な方を選んでゆく。そしてちょっとした罪悪感とスリルを味わいたい、きっとブレッソンの考える若者像はそんなもんなんだろう。

 真面目そうで、他人の母親の面倒なんか見てたりしていたジャンヌ。彼女にだっていろいろあっただろう。二年のあいだに未婚の母になった。主人公のことをずっと心配していた友人でさえ、ジャンヌを孕ませて逃げ出した。

 誰もが無垢ではいられない。子供から若者、大人へといやが上にも変わってゆく。周り巡ってやっと互いを見いだす二人。 何てもどかしい、青春。 

 ただ、犯罪はよくないよん。

(評価:★4)

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