コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 現金に手を出すな(1954/仏=伊)

夜のパリの雰囲気がヤバイ。エレベーターで裏を取るシーンや、ただならぬ雰囲気の地下室の拷問や、ヘッドライトの光だけがスーッと伸びる一本道の銃撃シーンだったりと色々見所も多い。あとジャンヌ・モローのエロい衣装は最高
ギスジ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ジャン・ギャバン演じるマックスの人望の厚さや面倒見の良さが半端じゃなく、僕の中で圧倒的に会社で上司にしたいナンバー1ですね。後輩の借金も利子を付けてポンと返してくれたり、よしみのマフィアに人材を斡旋したり、色々と面倒見てくれる親分肌なんです。見た目はおじいさんみたいですが、お店のショーガールからもモテモテで、黒魔羅さんも書いてましたが、女性のおっぱいを後ろから鷲づかみして「重そうだな、持っててやるぜ…」とゲスいセリフも貫禄がありカッコイイんです。

あと熟練したマフィアなのでカンも相当鋭く、タクシーで帰る際救急車に尾行されているのに気づき、なんとかうまく巻いた後、途中立ち飲みバーの公衆電話で相棒を呼び出し、電話では話すとヤバイからと車で相棒を拾い、相棒のリトンですら知らなかった隠し家を用意している手際の良さはいいですね。今観てもとても凝った流れになって面白いです。かくまった部屋で「今日はこの部屋に泊まれ」と言い、パジャマやら歯ブラシをマメに用意している姿は、まるでリトンのお母さんに見えてきました。

しかし右腕のリトンは間抜けな奴で、秘密であったはずの禁の延べ棒を盗んだ事を女に言ってしまい、それがマフィアの耳に入り命を狙われる羽目になるんですが、その時マックスが珍しく心の中でグチを言うシーンがあるんです。「あんな馬鹿を相棒にするんじゃなかった。」とか「次はもう絶対助けねぇぜ。」と本音をこぼすんです。僕も観ていて怒りたくなるのも当然だよ。と思ってたんですが、リトンが拉致された時、マックスは「待ってろ。今いくぜ!」と全力で部下を助けようとします。正直「あんな奴見捨てろよ〜」と思いましたが、人望の厚いマックスはそんな事はしません。助け出した際リトンが負傷してしまい亡くなってしまい、マックスが落ち込むシーンがあるんですが、個人的には少々人が良すぎですね。非情なマックスも観てみたかった気がします。しかし男も女も関係なくきつめのビンタをするシーンは凄かったです。採点5は少し甘いなと思いますが、ノワール調の雰囲気が良くて採点甘めです。あとジャン・ギャバンの格好良さですかね。僕はジャン・ギャバンの名前を意識して観るのは初めてだったんですが、もうこれ観て好きになりました。

(評価:★5)

投票

このコメントを気に入った人達 (1 人)赤い戦車[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。