[コメント] タンデム(1987/仏)
妙に納得させられました。テーマは悲哀なのでしょうが、それだけではありません。いい意味で「割り切れる」気持ちになれる作品です。
ルコント監督の処女作にして、自分の中では最高傑作。 というより、自分の観たあらゆる作品の中で特に推したい一本。
ニヒルなジャン・ロシュフォールの枯れた哀愁と、ジェラール・ジュニョーの愛すべき「使えなさ感」。フランスのだだっ広い国土を、ボロ車でタンデムして回る二人。往く先々の場末でちょっといいことがある・・・かと思いきや、決まってやるせない現実に様変わり。しまいにゃ目的も無くなって、タンデムして回るという現実だけが二人に残される。
人生ってこんなもん。少しの妥協と、少しの優しさと、ともに歩んでくれる誰かがいてくれるだけで。「諦め」と言うと消極的だけど、いい意味で割り切れるというか。 前向きにはしてくれないけど、ちょっとだけ前向きになれる作品。最高です。
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