[コメント] スワンプ・ウォーター(1941/米)
ルノワールの水面と茂みの官能性は夢のそれに似ている。夢のように美しく、夢のように危険だ。そしてウォルター・ブレナンの圧倒的なすばらしさ。信じがたいほどの画面の充実。ファーストショットの水面の波紋を見ただけで傑作であることを確信できる。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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すばらしい点をすべて挙げようとすれば全ショットについて言及しなくてはならなくなるだろうから、ここではそのうちの幾つかを羅列するに留めよう。必要以上に小さく可愛いねこ(アン・バクスターの片手に収まる!)。ダナ・アンドリュースが初めて湿原を分け入って進むシーンの完璧なカメラワークと幻想性。ブレナンが蛇に咬まれ、また「生き返る」さまのいいかげんさ。アンドリュースと父ウォルター・ヒューストンの感動的な和解。アンドリュースがジョン・キャラダインの家に足を踏み入れるショットの高低の画面。アンドリュースがウォード・ボンド兄弟に撃たれるショットでの、射撃の方向と音響設計がもたらす驚き。ラストシーンでアンドリュースとバクスターのダンスを見守るブレナンの表情&犬。ああ、そしてなんと云っても溶暗! 『スワンプ・ウォーター』のすべての溶暗には映画の奇跡が宿っている。
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