[コメント] 肉弾(1968/日)
ニッポン ヨイ国 清イ 国。“あいつ”ヲ 忘レチャ イカン 国。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
“あいつ”は、ちょっとばかしインテリで、ちょっとばかし肝の据わっただけの、本当に、ただの、21歳と6ヶ月の若者だった。
黒色火薬抱えて砂の下で毎日待ちつづける、そんな状況下にあっても、“あいつ”は、まだまだただの、何処にでもいる、21歳と6ヶ月の若者だった。
海に出た“あいつ”をあの絶叫に駆り立てたものは、「国ノ為ニ」や「君ノ為ナラ」といった大義にあらず、恋人を理不尽に奪われた若者の、ただの、個人的な復讐心だけだった。
だから、うさぎの亡き後で、“あいつ”が「守るべき人たち」としてドラム缶の内側に描いた人型はあんなにも虚しかったのだ。
あの夏、日本中で何人の“あいつ”が叫んだだろう。
今、世界中で何人の“あいつ”が叫んでいるだろう。
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