[コメント] 未来世紀ブラジル(1985/英=米)
「これこそ映画だ」という映画ではない。しかし、エンターティメントとして第一級の作品であることは間違いない。デ・ニーロの怪演!
例えば、夢のシーンのイメージが貧困だと思う。つまらないフラッシュバックがドラマを弛緩させてしまう良い例。また全体的に云っても吃驚仰天してしまうような巧い演出が見られるわけでもない。
しかし、私はこの映画が好きだ。もともと私はこういうラストの突き放しを持つ映画が好きなのだが、そのことを置いておくとしても、まず美術・装置が良い。ここまでスペクタクルを造型してもらえれば演出の巧拙なんてどうでもよくなってしまう。役者で云えば、ロバート・デ・ニーロが素晴らしい。キム・グライストが新人とは思えぬ大きな演技を見せてくれる。イアン・ホルムやイアン・リチャードソンが見事な脇役演技を示す。しかしそれにしても、デ・ニーロは真に怪演というに相応しい。彼が演じた数多のキャラクターの中で最も忘れがたい役だ。
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