説教オヤジとけにろん氏のいう通りで、この寅には魅力はない。そこが渡世人のつらいところよ、という寅のわたる渡世とは何か。それは世間と外れた生き方に他ならない。その外れが世間様に意見をするのはなんで可能なのか。登に対する説教はもちろん、風子に対する説教もそうで、挙げ句の果てに渡瀬には、手を引け、というのはどういうわけだ。渡瀬のはぐれ感は本物でその渡瀬が兄さんと呼ぶところからして謎。

幸せな結婚ができない（しない）寅が堕落妥協して結婚生活に入る世間人に文句がつけられるのか。ピンクのカーテンの美保純の登場は相当面白いが、わかりやすい演技付けはちと興ざめ。最後の熊は前作のレオナルド熊つながりか。

出てくる役者はそれぞれいいところがあるのに、総じて見ると相殺しあってつまらないものなっている。話が変なんだと思う。