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[コメント] ブラス!(1996/英=米)

オヤジはみなケーシー高峰。でもそんなオヤジのプラバン演奏が涙が出るほど立派。しかも、ブラディ・アルバートホール。で、ブラディ・ランド・オブ・ブラディ・ホープ&グローリー!
カフカのすあま

サッチャーさんがやった社会経済システムの抜本的な改革は、たしかに賞賛に値するけれど、切り捨てられたのが「弱い国」の基礎となっていた「弱い人々」だったのが致命的。

トップダウンで、上から余分なものをどんどん切り捨てていったとしたら、もしかしたらそれも現在のイギリス好景気のきっかけともなったかもしれない。

でも、まあ、それはそれでこの国にしぶとく生き残る「階級システム」の崩壊につながるわけで、政治の中心にいる「偉い人」がそんなものを認めるわけがない。

だから、炭坑労働者を代表する、ファイト一発肉体ひとすじ労働者と同じようにミドルクラス以上の人々が血を流したか、といえば否なのである。おおいに否。

ここにワーキングクラスの怒りと嘆きとあきらめの理由がある。

「威風堂々(=歌詞がついたやつは Land of Hope & Glory、「希望と栄光の国」)」は、イギリスの第二国歌のようなもので、「プロムス」という毎年恒例の愛国のかほり高いクラシック・コンサートで必ず演奏・大合唱される(去年は9・11のため自粛)。この Proms 会場では歓声とともにイギリス各国旗(スコットランド、イングランド、ウェールズの旗)がパタパタと振られ(まじ)、国民は涙にうちふるえる(←これは誇張)。7月から8週間、エンエンやってます。

そして会場はもちろん、ローヤル・アルバート・ホール。

いかにも西洋趣味のゴテゴテしたホールでの、彼らの雄姿に敬服。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)tredair 立秋[*] MUCUN

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