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[コメント] 夢のチョコレート工場(1971/米)

70’sな色調が新鮮。無垢なチャーリー君以外の憎たらしい子役達が達者。ところどころセンスの光るカメラアングルが印象に残る。唯一残念なのは不必要な唄。さして良いメロディでもないし無くても全然、ストーリーの魅力だけで充分。
TOBBY

**ネタバレ注意**
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原作もジョニデのリメイクも観ずして深夜放送でやってたので視聴。凄い眠かったのにラスト迄見せきる水準は、きちっと保っている。物凄く力が入ってる訳じゃないのにサラッと心を掴み見せきるのは流石。子供が観ればワクワクするだろうし,大人が観てもノスタルジックな気分に浸れるはず。

フィルムの劣化加減もお菓子やメカのデザインとか色調のトーンとか70'sな感じが心に滲みた。キャスティングも主人公のチャーリーとか、ハリウッドチャイルドしてなくて素人臭いのもリアル。前述したがチャーリーのサポーティングの憎まれ役の子供達が、みんな達者。太っちょはボケッとしてたがヒステリックなアラニス・モリセットみたいな金持の子や、ガム好きのアンジェラ・ランズベリーみたいな少女達のイカれ具合が作品に活気を。TV好きのチビッコのじっとしてずに周囲が苛立つ程に動き回る子供特有の馬鹿っぽさも上手に捉えてる。監督の子供の描写の上手さに感心するし、この作品がダレずに持ったのは彼らの演技のおかげ。

主人公のチャーリーは良いこっぷりが鼻につくがチョコ一気食いのシーンに狂気を感じた。彼の母親の貧乏やつれっぷりが見事過ぎて見苦しい。もうちょっと奇麗な女優でも良かった(リー・レミックとかぁ)。変なとこでリアルさ追求し過ぎ。チャーリーのおじぃの一人もスリット入ったパジャマで踊るシーンが不気味で不快。パジャマズボン履かせるべきだし、踊るシーン自体が、そもそも不要。

肝心のお菓子の工場は、カラフルな彩りの割にはイマイチお菓子に溢れておらず、いっぱいの巨大ゼリーとか大きなデコレーションケーキとか当時の技術でも出来たのにぃとちょっと不満。チョコレートの滝のチョコの色合いも薄過ぎてケチケチした人の作るココアみたいなんだもん。

とか、文句を言いつつ観れちゃうのは、正しい者が救われるハッピーエンドだから。貧しさにめげず、信じて宝くじを買い続けよう!と勇気が湧いたし(謎)。ワイルダーは若い頃を知らんかったので、こんな時があったんだぁと新鮮ではあった。日本でもグリコとか森永をスポンサーにして、子ども店長とカールスモーキー石井あたりでドラマとか出来そうじゃんと思った(既にビックリマンチョコの現象でもあるけど…)。

なんにせよラストの青空に金色の仏塔の尖塔の様なロケットが、ふわふわ飛んで終るラストシーンはセンスが光り、強く印象に残っている。

(評価:★4)

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