[コメント] トレインスポッティング(1996/英)
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「社会は君のような人間を受け入れてくれると本気で思っているのか?」とラストシーンに向かって問い掛けた。
この映画は麻薬に反対している類の映画ではない。むしろそのベクトルは賛成の方向へと向かっているだろう。ひたすらスタイリッシュである。明るいラスト。主人公の両親の甘っちょろさ。彼と周りの人間との友情。
しかしそれらは全て似非である。ある種の人々はいっしょに馬鹿をやる人間のつながりをとても大事にしているようにしばしば感じるが、そんなものは友情でもなんでもない。
イギリスの貧困、社会の行き詰まり・・・。全く関係のないお話である。やるやらないは個人の問題だ。貧しいからやる・・・なんてのは的外れ。金持ちでもそうでなくてもやる奴はやる。やらない人間はやらない。
麻薬をやる人間は他の犯罪も犯すだろう。反対に麻薬をやらない人間は他の犯罪も犯さないだろう。昔知人に本当にやっている輩がいたのだが、本人はそれをかっこいいことだと思っているのだ。説得できるものではない。作品中に出てくる人間ともども皆自分に甘い。自己中は文字道理周りの人間の迷惑など全く気にしない。そんな人間がちょっとやる気を出したからといってすんなり社会が帳消しにしてくれると思ったら大間違いである。
*観る前は『シド・アンド・ナンシー』と『バッファロー66』を足して2で割ったようなのかと予想していたが意外にくどくない。
*音楽によるものが大きい。絶えずリズム感溢れるBGMが流れていて観るものを飽きさせない。しかし悪くいえばミュージックビデオ的でもある。
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