[コメント] ショート・カッツ(1993/米)
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前作『ザ・プレイヤー』で見事ハリウッドに返り咲いたアルトマン監督が、「好きなように作ってしまえ」とばかり、自分らしさを徹底して前面に押し出して作った群像劇となっている。かつての『ナッシュビル』や『ロバート・アルトマンのヘルス』などと較べても登場人物が段違いに多く、物語もごっちゃごちゃしてるため、観てる間に頭を整理しなければよく分からなくなってしまうのだが(事実これを最初に観たのは病気で寝てる時だったため、頭が働かずに、何が何だか分からず、結局後でもう一回見直す羽目になった)、これだけの長さにかかわらず、テンポ良く話が展開し、前の話としっかり話がつながってるので、この辺のバランス感覚は流石と言える。
俳優も豪華。劇中登場する人物はみんな悪い人じゃないのだが、どこか人間的に欠けた部分があって、それが誤解を生んでしまう。そのあたりのすれ違いが本作の見所と言えるだろうか。ジュリアン・ムーアが意外なズレっぷりを見せていたり、ティム・ロビンスが頭のネジ一本どこかに置いてしまったような役どころを好演してる。それだけでなく、適材適所でしっかりキャラが配置されているので、見所は満載。役者から信頼されてるって事が本当によく分かるよ。
ただ、『ザ・プレイヤー』で見せていたブラックジョークが急になりを潜めてしまったような?皮肉のないアルトマン作品は、ちょっとパワー不足の気がしてならないな。まあ、だからこそ一般受けしたんだろうけどさ。
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