[コメント] 盗まれた欲情(1958/日)
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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ヌードが終わったら帰っちゃう客、引き留める役者、客席は子供がチャンバラ。おなごは泥鰌取り。夜這いと退治、さらには女優になりたいという猛者まで現れる。こういう賑やかさはとてもいい。当時河内だけでもテント芝居は50を下らなかったとある。その河内(八尾)では大入りで気分よく映画は終わるのだが、本当なんだろうか。70年代の寅さんの吉田義夫、岡本茉莉はもう駄目だという印象だが、60年代まではこんなに活気があったのかと驚かされた。
長門裕之のインテリ脚本家の話は余り面白くない。インテリが外から眺めた貴種流離譚にしかなっていない。イマムラ映画は以降、地域に突入するのに躊躇がなくなってゆくのだが、本作は及び腰に見え、そして成果を上げていない。長門は悩めるインテリ造形なのだが、こんな処にいるのだからいろんな意味でもっと変人だろう。柳沢真一が終盤に格好よくなるのはつまみ食い。南田洋子と喜多道枝の姉妹と寝て妹についてこられるのだが、すぐに分かれるのだろうという投げやり感が残った。ロマンポルノを予見するようなタイトルは変。「テント劇場」で十分だろうに。
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