コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 誘拐(1997/日)

グラサンかけずショットガン持ってなくても、かっこよかった渡哲也。古かろうとどうであろうと、骨太な社会派刑事モノとして、明快な主張を見た。
シーチキン

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







特に印象的なのは、誘拐した重役を撃とうとした仲間から、「殺すなら俺がやる」と銃を奪ったシーン。

理不尽で無責任な公害で家族をなくし、恨み骨髄であっても、刑事としての自分の人生を曲げず、人質を殺すことなく解放する。

この点では、クサイといえばとてつもなくクサイのだけど、酒井美紀に刺されるシーンが光っている。ストーリーの伏線としても、家族をなくした者の悲しみへの共感ということだけでなく、「罪を憎んで人を憎まず」とでもいうべき、実に昔気質の刑事、という人生が見えてきた。

これらを首尾一貫させた渡哲也の熱演があったればこそ、一味が続々と自首するシーンが妙に納得できる。

近年見た邦画の中では、もっとも深く心に残ったものの一つ。

(評価:★5)

投票

このコメントを気に入った人達 (1 人)kiona[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。