[コメント] 四畳半襖の裏張り(1973/日)
後は何してもいいんだろと万歳事件まで語る神代に好感度大。このメディア利用はジョン・レノンと同時代のスタンスだ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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持ち時間はいつも五分しかなく、『二等兵物語』のアチャコのように棒にしがみついて蝉の鳴き真似して殴られシベリアに出兵させられる粟津號。絵沢萌子と芹明香の女郎屋ごっこに至る戯れと対比される。ロマンポルノは大正時代の設定がとても多い印象があるが、苦労した兵隊さんは何も第二次大戦だけではない、大正時代だって徴兵制だったのだと教えてくれる。山谷初男の首括りは「万歳事件」のフォルムが反復される。米騒動の報道はその筋から圧力があったのでもう掲載しませんという新聞のベタ記事の引用がすごい。
置屋映画としては客に気をやるやらないの駆け引きが語られる。時制は出鱈目に斬新で、宮下順子と江角英明の房事は一晩の出来事なのに、カットバックで挿入される芹のドタバタや粟津の軍事訓練は昼になったり夜になったりする。ラストの芹は決め損ねているが、本筋などどうでもいいだろと云っているようでもある。
幇間付きの「封印切り」のストリップの長回しが私的ベストショット。宮下らふたりが散歩する砂浜がら眺める美しい夕陽は、後のにっかつのOPタイトルのマークに使われているものとそっくりで、たぶん同じではないだろうか。再見。
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