[コメント] グッドフェローズ(1990/米)
個人的にマフィアややくざを描いた映画にはどこかピンと来ないものがあったのだが、これはとてもわかりやすかった。ロマンを廃して、リアリズムに肩入れしたマフィア映画。こちらの方が好みだなあ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
マフィアの世界を「家族」という切り口で描いた『ゴッドファーザー』よりもこちらの方がしっくりくる。
ラクしていい暮らししたい、周りから恐れられる存在になりたい、いい女にモテたい、そんな動機からマフィアの世界に足を踏み入れる。そこにいるのは「家族」ではなく「仲間」。しかも利害が一致しているからこその「仲間」であり、ひとたび利害相反する関係になれば我が身を守るためにあっさりと手のひらを返す。そんな生き馬の目を抜く世界。こういうドライな世界観のほうが納得感がある。
とにかくこの映画、テンポがいい。一つ一つのシーンが簡潔でいながら重ねられていくうちに主人公の人生が厚みを持って展開されていく。その語り口の見事さ。冒頭10分でもう話に引き込まれ、長尺だが最後まで一気に観ることができた。
一方で、人物の動きを追うカメラワークやら、ワンカットワンカットは工夫した絵作りで魅せられる。そして俳優陣。デニーロ、ペシ、リオッタの味のあるキャラクター。三人のやり取り見てるだけで何だかワクワクしてくる。相手を徹底的に痛めつける迫力。キレた時の恐ろしさ。演出ばっちり、演技ばっちり。
裏の世界に憧れ、けっこういい思いもした主人公は、結局仲間を売って生き延び、証人保護プログラムで別人に生まれ変わる。この皮肉もまた痛快。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (2 人) | [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。