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[コメント] ピクニック at ハンギングロック(1975/豪)

神。
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**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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怖い映画だ。「岩」が出てくるシーンは皆怖い(ちなみに自分は少女達が消失するシーンで部屋の電気をつけた@ビデオ鑑賞)。個人的にはベスト5に入る怖さだ。でもこの怖さはホラー的な怖さとは異なるものだ。

とても宗教的な映画だと思う。それも原始宗教的な。この映画には間違いなく「岩」に対する畏れがある。原始時代の人間は事物、特に自然物に対し畏れを抱き、神格化していたと推定されている。非生物に神を見出だす。巨きなモノへの畏れ。見えないモノ、未知なるモノへの畏れ。宗教意識が明確でない日本でも、寺社や墓場には多少なりとも厳粛な気持ちになるだろう。科学的ではなくとも。これだって原始の時代から受け継がれている人間の本質なのだ。この映画の「岩」は単なる岩ではなく明らかに人格化/神格化されている。その神秘性、スケールの無限性に圧倒され、不気味さを感じ怖さに繋がったのだと思う。映像に対するリテラシーさえあればどんな時代の、どんな場所にいる人でも恐れ/畏れを感じるのではないだろうか。

少なくとも自分は、この映画に神(のようなもの)を確かに感じた。「神隠し」とは良くできた言葉だ。

前半で神隠しというネタが存分に威力を発揮していたのだが、後半になると女学校がメインになって、俗物のババア学長がしゃしゃり出てきてしまい残念。神隠しネタが神隠しになってしまっている。神隠し関連から余り逸れるようなことがなければ相当な作品になっていたと思う。

(評価:★4)

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