[コメント] 宮本武蔵(1961/日)
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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国民作家吉川英治の「宮本武蔵」の再映画化。1954年に稲垣浩監督により既に同じ題材で作られており、出来そのものも殆ど同じ。原作になるだけ忠実に作っていった結果だろう。
しかし、キャストが変わると雰囲気も変わる。稲垣版では宮本武蔵役を三船敏郎が演じていた。これははまり役のように見えていながら、実は三船の個性が強すぎて、ちょっとバランスが悪かったように感じてしまった。一作目のやんちゃっくれな武蔵こそ、その個性を充分に見せてくれた感じがあるけど、落ち着いてからの物腰に関しては、本作中村錦之助演じる武蔵の方が良く出ていたように思える。自分自身ではなく、武蔵になりきっていたからなんだろう。前作が3部作だったのに対し、こちらは4部作になってるのは、それだけ落ち着いた雰囲気の武蔵がはまっていたって事だな。
武蔵以外のキャラクターで言えば、お通役は稲垣版の八千草薫に較べると、入江若葉は大分落ち着いてしまった感じで、こちらは八千草薫の方が良かったかも。でも沢庵役の三国連太郎ははまり役(稲垣版では又八役を演じていた)。
更に言うと、物語こそ同じとはいえ、カメラ・ワークの見事さもこちらの方が上(手本があったからと言う話もあるな)。
1961年の邦画興行成績は5位。やはり武蔵人気は凄いものだったようだ。
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