[コメント] 生命の冠(1936/日)
鑑賞したのは短縮版、一時間弱でサウンドも失われているが物語は判る。殆どが缶詰工場の控室での延々たる対話劇の連続なのだが、これが内田吐夢らしい奥行のある重厚な画になっているのが才能。そして豪快な冬の海。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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岡譲二は格好良く滝花久子は別嬪。外のシーンも素晴らしい。冒頭の氷のなか船出する(15人乗りくらい)迫力もの凄い。まき網でのカニ漁。子供がバカでかいカニぶら下げて歩くシーンがとても印象的である。兄弟喧嘩して夜の海、弟の井染四郎を探して岡譲二がとんでもない断崖に出る件が私的ベストショット。缶詰は横回しにねじる式の開け方がすでにあると確認できる。
帰ってこない2号船。捜索ばかりで漁ができないと弟は誤魔化した缶詰つくり。製造業は製品納めるのが仕事だよと兄貴は会社を明け渡してしまう。捜索で帽子だけ見つかって「北村さんのだわ」と娘の原節子。この辺り、長編ではもっと肉付けがあったのだろう。
船上での施餓鬼法要。女工たちは2ケ月早く家に帰れると喜んでいる。悪役がやってきての引き渡し。最初の漁でとれたカニを見上げる一家。正しい商いをして工場を出たという感慨で映画は〆られる。生命の冠は黙示録から、とある。
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