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[コメント] 望楼の決死隊(1943/日)

お定まりの国威発揚映画なんですが、「駐在日記」みたいな国境警備隊の日常と、クライマックスの砦の攻防戦が地続きな感じが好き。原節子が銃を撃つシーンもあります。
おーい粗茶

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







こういうのは、駐在所もとい警備隊の面々のキャラクターがよいと、それだけで楽しい。謹厳で冷静だが温厚で部下思いの所長、熊みたいな副長(?)、着任したての不平不満をよく口にするボンボン巡査、面倒みのよい先輩、優しくて美人の所長の奥さん…。ま、いかにもなんですけど、この人たちが醸し出す一体感に包まれる1時間半という時間はとても心地よい。

年末に所長のお母さんが危篤になったと知らせがあり、しかし今この場所を離れるわけにはいかないと所長が奥さんと話をする前ふりがあって、正月、所長の奥さんのお雑煮をふるまわれにきた隊の一人が、殉職した仲間にも雑煮をあげようと仏壇の扉をあけると、所長のお母さんの写真が飾ってあった。みんなしんみりとしているところ、あとから入ってきた所長が「このもちは○○巡査(新入り)のお母さんが「みなさんで」とくださったものだ。…母親っていうものはいいもんだね」というシーン。字で書くとベタですが、こんな生活描写も好きだなあ。

戦時下の作品だから、後半の戦闘シーンの前にこういう日常の話が丹念に描かれるというのは、当たり前といえば当たり前なんですね…。

(評価:★4)

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