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[コメント] 八月の鯨(1987/米)

歳食った時に又観てみたい作品の一本。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 俳優にヴェテランの老人ばかりを揃えたしみじみとした名作。何が起こる訳でもない老人達の一夏を、淡々と、会話中心に描いている。ただ、会話中心と言うだけあって、俳優達の演技にほとんどを負っているのが本作の特徴だろう。

 ただ、とにかく“あの”ベティ=デイヴィスが90歳を超えても現役で、しかも本当にベティ=デイヴィスのイメージそのまんまで歳食っていると言う事実が凄い。逆に言えば、デイヴィス以外にこの役が出来る人はいない。対してどれほど年齢を食っても、凛とした雰囲気を決して崩さないギッシュも存在感高あり。。この二人はサイレントの時代…と言うより映画黎明期から映画に出続けていた人たちで、その間に色々なスキャンダルがあったり、干されたり…映画の歴史と共に歩んでいた二人だけに、言葉の重みというか、存在感だけで充分。これだけ静かな作品なのに上映中全く眠気を感じることがなかった。

 一方、かつて反逆映画の旗手と呼ばれたアンダーソン監督が、嫌っていた家族の絆を描いた点も興味深いところ。なんの心境の変化があったのだろうね?しかもまるで手慣れた作品のように演出が実にしっかりしてる。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)tredair[*]

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