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[コメント] リリー(1953/米)

それと知りつつ虚構世界へ踏み入るレスリー・キャロンの姿に、屈折した心も浄化される。That’s ファンタスティック。
G31

 人形使い(メル・フェラーが純情と屈折とを巧みに演じ分けて見事)の存在が絶妙。この役柄に同化してリリー(キャロン)を眺める、という不思議な見方をしてしまう。たいへん物静かなファンタジーだが、心の底に溜まった汚泥をさらってくれるかの如き、静かな興奮を覚える。ちょうど『オズの魔法使い』に初めて触れたときのような、現実と虚構の区別がつかなくなる幽離感。いや間違いなくそれより上だ。当時21、2とは思えないキャロンの醸すイノセントも・・・

90/100

(評価:★5)

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