[コメント] ゴジラVSモスラ(1992/日)
……とはいえ、これだと映画に対するコメントにならないのでここで書く。何せ当時の自分は、祖父・家族・友人とつごう三回も劇場へ行って観ても飽きないくらい熱くなっていたのだから、書かずにはいられない。
『ゴジラvsキングギドラ』を観に行った時、最後に次回予告として「ゴジラvsモスラ」と出た。「おお、モスラが復活か!」……と同時に、はてどういう話になるのかと考え始めたものである。小美人は出るだろうか?出るとしたら誰がやるのか?「Winkじゃないか」とかいう噂もあったが、結局東宝シンデレラの大賞と審査員特別賞を貰った二人(今村恵子・大沢さやか)になった。双子じゃないじゃんか!と思ったが、いざ観てみるとピッタンコで、満足したのを覚えている。
冒頭の隕石はCG。モスラの羽化でもCGを使う予定だったらしいが、イマイチだったので没になったとか。その隕石でゴジラが復活した後に始まる、ハムの人(別所哲也)によるインディー・ジョーンズもどき。今までモスラ絡みだと大抵マスコミ関係の人が登場していた東宝怪獣映画だが、盗掘屋というアクティブな(?)主人公は初めてではなかろうか。あ、『南海の大決闘』の宝田明がいたか(金庫破り)。そのハムの人の元カミさんは芳醇パンが大好きなお疲れママ(小林聡美)というのも、今までになく家庭的なヒロインだと思うのは自分だけか?
しかし登場人物で最強なのは大竹まことではなかろうか。ちょっと芝居臭いところもあるが、このインパクトはジェリー伊藤や佐原健二にも負けてなかったです。「(コスモス二人に)君達、契約金もギャラもちゃんと払うからね」「壊せ、もっと壊せ!この街は俺が作り直す!」……モスラの悪役が興行主からゼネコン会長になったのは時代の変化なのでしょうね。バブルもはじけたことだし。
今回は話の筋がほとんどモスラ寄りなので、ゴジラはこれといったことはしていない。モスラに対するバトラのポジションは面白いが、ゴジラ同様中盤当たりからパッタリ出てこなくなるあたりが、この映画の弱点かもしれない。まあ『モスラ対ゴジラ』のゴジラの役を、ゴジラとバトラの2匹で引き受けたようなものだから、弱くなったり魅力が薄まったりするのも当然か。
今観直すとまあまあでそこそこの映画という感じ。それでも公開当時はモスラ復活ということで世間体も盛り上がり、TVでの紹介率も増えたので非常に嬉しかった。特番も録画したテープも消さずに取っておいてある。そして何より驚いたのは、特に怪獣に興味の無かった従姉妹(三人とも女の子)がこれを観に行ってコスモスにハマッたということ。作る側の戦略としては女性客層も狙っていただろうが、だとしたら大成功だ。
とにかく本作は、怪獣映画に関して一番かぶれていた中学時代にリアルタイムで観た一本だ。毎年正月にゴジラの新作が製作されることを素直に喜び、山ほど関連ムック本を読んだくちだ。その頃の自分が出した評価と現代の自分が出したそれとを考えて、この点数とさせて頂きます。
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