[コメント] ゴジラVSメカゴジラ(1993/日)
戦闘シーンが長すぎるのがよろしくない、しかしこの映画での大河原孝夫の仕事はもっと評価されて然るべきものだ。人物の動きを的確に捉え、映像で物語を語りテンポをよく映画を進めていく。これだけの手腕は一朝一夕では身につかないものだろう。平成ゴジラシリーズは「特撮」としては平成ガメラシリーズに劣るかもしれないが、「映画」としてのレベルはずっと上だと自信を持って言おう。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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例えば冒頭高嶋政宏が登場する場面において始めは後ろ姿、あるいは首から下だけを見せ、顔は見せない。こうすることで観客に少し違和感を持たせ、この人物が他の人間とは違う特別な立ち位置にいるのだと認識させる。また国立生命科学研究所において高嶋政宏と佐野量子が初めて会う場面においてのカメラのフラッシュによる画面の繋ぎ、その後高嶋政宏が部屋から退出する場面でのドアの使い方も面白い。そしてこの手のジャンルには必須のモニターという装置を使った視線の誘導や空間の繋ぎ方も悪くない。
しかしこの本編演出の素晴らしさに対し、長すぎる特撮場面が映画を停滞させてしまっているのが何とも残念である。この監督はもっと色んなジャンルの映画を撮るべきだったと思う。とはいえ、『ヤマトタケル』はともかく『誘拐』や『超少女REIKO』さえ大して面白い作品ではなかったと記憶してはいるのだが。
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