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[コメント] 鞍馬天狗 角兵衛獅子(1951/日)

強いのか、はたまた滅法弱いのか判らない「天狗のおじさん」。いくら優しくとも、こんな情けない正義の味方に当時の子供は満足したのだろうか。脚本と編集の徹底した下手さに理由があり、アラカンは熱演していただろうことは判るのだが…。
水那岐

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







城中に我が身ひとりで入ってゆき、悪家老に銃を向け人質にしようとして失敗、城中をヒラ侍たちに追い回されて逃げまくり、天守閣の屋根まで逃げ延びたものの、足を滑らせてまっさかさ〜ま〜に〜落ちてデザイア、囚われの身になってしまうアラカン。まったく泣けてくるよ、ほんとに。

これなどは映画そのものの欠陥であるから仕方ないかとは思うが、ラストの近藤勇との対決などは酷い。さんざ構えの姿勢のまま引っ張っておいて、いざ剣戟が始まるかと思えばいきなり天高く剣が一本跳ね上げられて唐突に決闘は終わり、次のシーンでは馬にまたがったアラカンが江戸へ馬を急がせる姿を映し、山田五十鈴への置き手紙「私は初めて恐怖というものを知ったのです」との文句が流される。これでは近藤が怖くて逃げてゆくようにしか見えないじゃないか。お世辞にもカッコ良く撮れているとは言いがたい。

(評価:★2)

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