[コメント] ガタカ(1997/米)
バスタブに残った髪の毛なんてのが嫌な人は見ない方がいいかもしれない。
観る前は,「遺伝子で人を差別する醜い場面なんかがばりばり出てるんだろうなあ」などと勝手に思っていた。しかし,違った。社会の不正を告発するなんて感じの「熱さ」は,この映画にはない。ただ淡々と,「事実」が語られていた。
観て思ったこと。人は一人では生きていけないのだということ。ビンセント(イーサン・ホーク)は,ジェローム(ジュード・ロウ)に「なる」ために,さまざまな努力をしている。そうした彼の努力だけを見ていると,ビンセントだけが頑張っているように見えるが,すぐ気づくように,そんなことはない。そもそも,さまざまな遺伝検査をクリアするためには本物のジェロームの協力が欠かせないし,偽物であることがばれそうになったときにも,多くの人の助けがあって,その危機を切り抜けている。また,終わり近くの一場面が,泣かせた。
映像について。なんだか,『未来世紀ブラジル』を思い出させる映像だなあ。ガタカの色使いのほうが明るいけど。でも,すごく空疎な明るさだった気がする。
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