[コメント] D.N.A.(1996/米)
『ロードショー』97年1月号「ハリウッドの表と裏」に載っていた記事なのですが、あまりにインパクトが大きかったので、ムダな豆知識?として書こうと思います。舞台裏は映画そのものの評価とは関係ない、という気もするので、あくまで単なるゴシップとしておヒマな方だけどうぞ。でもバル・キルマーのファンは絶対に読まない方がいいと思います。
撮影初日から悪天候でスケジュールが押し気味なところに、完璧主義(そうだったんだ…)のバル・キルマーが自分の演技に納得がいくまで、何度も撮り直しを要求。当時の監督はこの脚本を書いたリチャード・スタンリーだったが、10テイク以上も撮るのはムダと言ったら、バルがプロデューサーに自分か監督かの二者択一を迫り、あえなく監督は撮影3日目にクビ。
監督がいなくなるとマーロンとバルが脚本を変更しはじめ、しまいにはキャラクターの性格など総てが変えられ、元のものは一行も残っていなかったらしい。
ストーリーばかりか自分のキャラクターまで書き換えられた共演のロブ・モローは嫌な予感を感じ、そそくさと降板。業界紙「BUZZ」に「バルと一緒に仕事をするのは、狂った陸軍大将のいる軍隊にいるようなものだ」と語る。
1週間後、フランケンハイマーが後任に。ロブの代役にデビッド・シューリスが決まる。監督は「我々はこの酷い映画を素晴らしい映画にするために努力しなければ」とスタッフに語る。
しかしバルと新監督にも争いが起こり、ある時バルがやっと納得できる演技をしたのにカメラマンのミスで撮り直しになり、怒り狂ったバルがタバコでカメラマンの額を焼こうとする。やがて撮影をサボり出したバルを捜すため、スタッフはすべての主要なホテルにバル用の部屋をとり、彼が現れたら連絡を入れるようホテルに頼むことに。
毛布で顔と体を覆ってセットに来たり、「より過激にしたい」と必然性なく空砲の入った銃を要求し、断られると怒って帰ってしまい、1日がムダになる…などなど、ストレスが溜まったスタッフから毎日のようにハリウッドのマスコミに悪口や不満のFAXが送られる。
監督もたまりかねて、バルの役を予定より早く殺すことをプロデューサーに相談。彼の最後の出演シーンを撮り終えたとき監督は「カット!今すぐあの厄介なヤツを視界から追い出せ」と叫んだという。
一方マーロンはスタッフのためにパーティを開いたり、高価なプレゼントを渡すなど好評だったが、その代わりどんな奇抜なアイデアも拒否できない空気に…。白塗メイクや頭のバケツは彼のアイデア。小人役のネルソンと仲良くなったマーロンは脚本を変更し彼の出番を増やす。おかげでドイツ人俳優マルコ・ホフシュナイダーは出演シーンを大幅にカットされエキストラ同然に。
また、マーロンはリハーサルを好まず、セリフも一切暗記しないので、イヤホン越しに遠くのスタッフにセリフを読んでもらい、それを聞いて言うことに。でもこの受信機が警察の電波を拾ってしまい、全然違うセリフを言うなど、こういったミスの連発も撮影を遅らす原因に。
デビッド・シューリスは「この映画を絶対に観たくない」とコメント。
…でもフェルーザ・バークは頑張ってたと思う。
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