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[コメント] サブウェイ・パニック(1974/米)

ハイジャックものと、銀行強盗など人質籠城ものとの一番の相違点は、追う側と追われる側が直接接触できない遠隔の距離にあるという点にあろう。本作の地下鉄ジャックの場合、その距離が微妙にアクセス可能で、しかも地上と地下という垂直構造にあるという点が特徴的で、妙味を生んでいる。
緑雨

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







さらに、NYの地下鉄の独特な薄汚さが趣きを添える。

犯人グループが互いを色で呼び合ったり、変装を取り去ったら意外な容貌だったり、慇懃さをデフォルメされた「東京地下鉄の重役たち」だったり、ユーモアも効いているし、緊迫した空気のなかでも一般市民には犠牲は出ないだろうなと確信させられる安心感が漂っているあたりも何だか力が抜けていてよい。

感電による自死、青信号での暴走、如何にも伏線めいたクシャミなど、やや唐突感のある「演出のための演出」もケレン味があってよいではないか、と思う。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)YO--CHAN[*] ゑぎ[*]

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