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[コメント] イヤー・オブ・ザ・ホース(1997/米)

冒頭タイトルで、乗馬が駈けて来る画面があり、「馬年」という漢字も出るのには驚く(「午年」だろうと思うが)。続いて「Proudly Filmed in Super8」「(and 16mm & Hi-8 video)」と出る。
ゑぎ

 全体の構成は、ワールドツアーのステージ映像に、過去の記録フィルム(モノクロが多い)、ツアーでの移動中の場面やホテルでくつろいでいる場面、スタフや家族を含めた、あらたまったインタビュー映像、そして、ロードムービーっぽい道路や川、大地、雲などのモンタージュが挿入される。

 ステージシーンの楽曲では、最初の「ファッキン・アップ」と最後の「ライク・ア・ハリケーン」が矢張り圧巻に思われる。この辺りは、観客の満足度を考えて構成されているのだろう。上に書いた、あらたまったインタビューは、全て、後ろに洗濯機のある部屋で行われており、このような無頓着な画面作りも、狙ったものなのだろう。自然描写のモンタージュ挿入は、流石にセンスを感じさせるものだし、荒っぽい線画からアニメーションの汽車に繋ぐ部分なんかは『ギミー・デンジャー』にも引き継がれている志向性だと思うが、まだまだ、情報量というか、画面の豊かさでは『ギミー・デンジャー』に及ばないと思った。

 ツアーの移動中の映像で、ジャームッシュが聖書の一節を読んでおり、ヤングが旧約と新約の違いを聞く部分は興味深かった。

(評価:★3)

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