ここで「似ている」というのは生き方やポリシーが似ているなどといった抽象的な意味においてではなく、「顔」が似ているというきわめて具体的な意味においてだ。そういえば『ストレンジャー・ザン・パラダイス』『ダウン・バイ・ロー』のジョン・ルーリーや『ダウン・バイ・ロー』『コーヒー＆シガレッツ』のトム・ウェイツもジャームッシュに似てはいなかったか。それもそのはずで、彼らはリー・マーヴィンに似ていることが入会条件の秘密結社“the Sons of Lee Marvin”のメンバーだという。彼らはマーヴィンを中心として互いに似ているのだ。ルーリーやウェイツというきわめてジャームッシュ的な人物同様にマーヴィン／ジャームッシュに似ているヤングがやはりジャームッシュ的な人物であったことは、それゆえ驚くには値しないことだったのだ。