あんた，「観客が思わず目をそらしたくなるほどのリアリティーが欲しかった」って言ってたよね．そりゃあ冒頭のＤデーの描写は凄いよ．正直言って目眩がしたよ．吐きそうだったよ．その点は見事に成功してるさ．

でもね，最後の市街戦はどうだ？一緒になって「ドイツ兵を潰せ！」って思う観客がただの一人でもいないと思うのかい？最後にアパム伍長が放った銃弾に「良くやった！」って思う人間がいないとでも思うのか，あんたは？！支離滅裂にもほどがあるよね．

最初のシーンのリアリティーなんて，金さえ出してくれりゃ俺にだって撮れるよ．

全く浅薄だよね．こんなのに易々と賞を与えちゃうアメリカ，ハリウッド．そして何より拍手喝采しちゃう数多くの観衆．監督さん，あんた自分で目が覚めないならそのままそこで死ぬしかないね．本当に残念だけど，僕らにはどうもすることも出来ないから．今のところ僕らに出来ることは，賢くなって見る目を養うことだけ．でも，それが人間の最大の「武器」だから．

★２は，かろうじて本物の戦没者に捧げたい．