[コメント] アイス・ストーム(1997/米)
70年代の家族像を見事に映像化。無秩序な親の世代とドライで自分達の世界に生きる子供世代の痛々しさが胸に染みます。アン・リー監督のセンスの光る秀作。
原作は70年代の二つのアメリカの家族の関係を描いたベストセラー作品。それを台湾人のリー監督は見事に映画化。文章で在する文学的表現を映像にするのは難しいけれど憂いを含む作品全体のトーンを見事に具体化した監督はさすが!。個人的にウェットな内容とドライな登場人物たちの視点、大人と子供のバランスなど大好きな世界観。濡れそば立つような映像は悲しみの余韻を残します。近年では特に気に入っている作品。キャスティングも適役な上、演技も見事で情けなさと悲しさを体現したケヴィン・クライン、タイプの異なるリアルな女性像を個々に好演のジョアン・アレン、シガニー・ウィーバーなど役者を観るだけでも価値あり。屈折した子供達も演技派ぞろいで内公的なトビー・マグワイア、繊細でミステリアスなイライジャ・ウッドもさることながらクリスティナ・リッチの堂々たる存在感は圧倒的。90年代に創られた家族を通じた悲劇の秀作。
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