[コメント] トゥルーマン・ショー(1998/米)
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外界への扉を開いたトゥルーマンは、今度は確実に社会という本物の荒波にさらされる。世間は誰しもが彼を温かく迎えるはずがない。有名人だけに、悪い奴に騙される可能性も高いだろう。果たして、誰も庇ってくれない厳しい実社会の中で、彼は本当に生き抜いていけるのだろうか? 本当の挫折を味わったとき、彼はもとの箱庭に戻ろうとするのではないだろうか?
一見、美しくハッピーエンドの様にまとめられたラストに騙されそうになったが、トゥルーマンの将来のことを考えると、不安だらけで、逆に怖くなる。
この映画は、Comedy/Drama/Romanceとして分類されているが、私はComedyでもRomanceでもないと思う。この映画は、モラルを欠いたマスメディアが暴走すると、1人の男の人生さえも番組の道具にされかねないという恐ろしさを描いている。そういう意味で、直接的な怖さはないが、適切なのはHorrorではないだろうか。
映画自体の出来としては悪くなかった。特にジム・キャリーとエド・ハリスというキャスティングは抜群だったと思う。エド・ハリスに関しては、文句無し。あの役は他の人では務まらないだろう。ジム・キャリーは、実はナチュラルな芝居も非常に上手い人だ。この映画でも、その才能が随所に発揮されている。だが、本作では、所々で百面相の悪癖が顔を出している。それが不気味で、やや気になった(学生時代のダンスのシーンや車で橋を渡ろうとする前の運転シーンなど。このまま壊れたら『マスク』になるんじゃないかと思った。)。ジム・キャリーは、もうあと少し、自然に振舞ってくれた方が良かった。ということで、1点減点。
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