[コメント] スネーク・アイズ(1998/米)
10年ぶりに見直してみたらおもしろいのなんのって。デパルマもそうだけどデビッド・コープ脚本も堪能した。本作や『パニック・ルーム』はもっと評価されてしかるべきだと思う。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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ラストカットの宝石の謎が解けなかった記憶があり、WOWOWで注意深く再見。カメラがキャラクターに寄り添う主観視点は、空間上の距離と方向を指し示すだけでなく、その人物がその瞬間にどこに注意を払っていたか/いなかったかを明らかにしている。視点・視線だけではなく、視野の映画でもあるのだ。
ケイジのキャラクターは十分に掘り下げられており、彼の行動原則からしてもパウエル側に懐柔されたと見るのが妥当で、それゆえミレニアムビル建設が順調に推移しているわけだが、ここがストーリー上のおもしろいところ。ラストシーンの会話は内容とは別に二人の充足感が伝わってきて、彼らがパウエルとの密約を担保にして充実した(安全な)生活を手にしたことを匂わせる。殴らせてもKOされずドローに持ち込んだのは個人としては「勝ち」なのだ。
そういうことは本編をじっくり味わえば自ずと得られる果実であり、宝石のカットはむしろ蛇足というかダサさ丸出しなんだよなぁ。もっとも、この謎が引っかかってもう一度見ようという気になったわけで、あんまり貶すわけにもいかないんだけど。
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