[コメント] ロレンツォのオイル(1992/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
何ていい話なんだろう。いい人ばっかり出てくる。実話だから当たり前だけど、その良い人ぶりが常軌を逸しておらず、地に足がついているのがいい。
工場を経営していて研究に協力してくれる夫婦、ロレンツォのオイルを完成させた引退間近の博士(ご本人!!)、そしてその背中を見つめ博士の健康を心配しつつ説明的セリフを言う(?)後輩の研究者たち…。
財団の代表の夫婦だって、悪い人じゃない。「息子さんは存命を望んでいるかしら?」という胸に突き刺さる台詞は、息子に何もしてやれず、その苦しむ姿を何年間も眺め続けるしかなかった彼らなりの結論だ。息子にできるだけ苦しい思いをさせない、というのが彼らの信念なのである。オドーネ夫妻以外はみんなそうだっただろう。事実、オドーネ夫人も、一度だけ「ママとパパは平気だから、苦しかったら行ってもいいのよ」と発作で苦しむロレンツォ君に囁いたことがあった。(うっ、思い出しただけで涙が…)
唯一性格悪かった若い看護婦も、もし実在するなら、この映画を見て多いに反省していることだろう。でなきゃ許さん。でも現実に彼女みたいな人は大勢いるだろうし、私もこの作品に出会わなければ、態度に出さなくてもどこかでそういうことは思っちゃうかもしれない。
オドーネ夫妻には、もう何も言えない。素晴らしい。脱帽。尊敬してます。演じたスーザン・サランドンとニック・ノルティの二人には、この先何があっても悪い印象を持てなくなった。
そして、どんなに苦しくても病気に負けなかったロレンツォ君にも脱帽。自ら他者とコミュニケーションする方法を考え出し、それを根気よく実行した姿も凄いとしか言い様がない。
“ロレンツォ・マイケル=マーフィー・オドーネ”というロレンツォ君のフルネーム、この映画を見たら忘れられなくなる。
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