[コメント] 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(1988/日)
「未成年者をぅ! かーどわかしてぇ!(警棒でひと突き)」 どうかしている。
映画の冒頭、家出少女クェス・パラヤを保護しにきた警官が、警棒でクェスの友人をド突く時におっしゃる台詞である。珍妙に聞こえる富野節全開の台詞であり、富野は早々にこれがまともな映画ではないことを宣言する。
登場人物はどいつもこいつもエキセントリックにテンパっており、他人に出くわしてはトゲトゲをぶつけあって呪詛を吐くばかり。ネオジオンの女パイロットなんかクェスにスパナぶん投げて「かわいいよ!」と捨て台詞、これクェスを侮辱する罵倒なんだよな。富野ハイブロウすぎるだろ…
特にファーストであんなにカッコよかったシャアの堕落っぷりは無惨で、エキセントリックな愛人、少女、部下に振り回され、なだめたりすかしたり取り繕ったりと東奔西走。アムロにだけは安心してブチギレて、ララアのことでなじったりクェスのことで揶揄したり、本音は本音でカッコ悪いことこのうえない。
そもそもあんなにも愛されたファーストガンダムはすぐれた未来SFであり戦争映画であり、何よりも少年の成長を描いたビルドゥングス・ロマンであったはずだ。それがなんだなんだ。ニュータイプは人の革新とか言ってたくせに、スペースノイドたちが演じるのは憎悪とおまんこに狂わされ右往左往する今村昌平みたいな土俗劇だ。人を衝き動かすのはいつの世もセックス、セックス、セックスですかそうですか。あのー、クェスには母親がいなくて、父親が愛人連れてるでしょう。余裕の手つきでそのように描いてるんだけど、富野ホントに愛人とか家庭崩壊とか人間不信とか好きね… ついてゆけぬ人だ…
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