[コメント] コキーユ・貝殻(1998/日)
時の流れの惨酷と慰撫。後一歩の描き込みがあれば秀作(かも)。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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一歩過てば、『失楽園』逝き。
何とかそうならなかったのは、中坊時代とからませて描いたからでしょう。勿論それ自体は恥ずかしいほど青臭い追憶に過ぎないし、いい歳こいてそんなものを引き出してきてくっつこうとするのは見っとも無いんですが、それを嘲笑うのならこの物語は成立しません。(ラストのベタな演出による感動も成立しない。) 青臭くても、いやむしろ青臭くていられた時代への追憶がふたりを突き動かしていることが描かれているからこそ、何とかこの映画の感傷は健全なもの足り得ています。(それにしても、独善性は否めませんが。)
個人的には、小林薫の奥さんが引っ越す時に何気なく呟く、「この街でもいろんなことがあったわね」というセリフにぐっと来てしまいました。転勤族サラリーマンの生活ってこういうことの繰り返しだと思います。同窓会の写真でいちばん屈託のない顔見せてる親父のことを想い出してしまいました。
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