[コメント] 風と共に去りぬ(1939/米)
前半はモブシーンを奥行きのある豪華な画面で見せていて南北戦争の描写の迫力なんか凄いが、後半はダレる一方。スカーレットが嫌な女であることは別にいいとしても、長々と時間かけたわりには周辺人物が不幸に見舞われていく展開が駆け足で雑に感じる。
時代に翻弄された人々の物語として興味深くは見れたが、その哀切はあらすじ以上、台詞で語られてる以上のものは伝わってこなかった。
またスカーレットの性格の悪さは、貧しさを経験してそうなってしまったというわけでもなく、元々そういう人だったという描かれ方をしているように見える。なので時の流れや環境の変化が人を変えてしまう残酷さ、みたいなものが感じ取れるわけでもない。一人の男にあそこまで執着し続けるというのもピンとこないし、とにかく途中からは何を描きたいのかもよく分からず興味を失ってしまったのだ。
奴隷制を美化して描いているという批判も多いらしく、このへんは黒人奴隷への差別を生々しく描いたリチャード・フライシャーの『マンディンゴ』を併せて見ることで時代への理解が深まる、のかもしれない。
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