[コメント] 銀河鉄道999(1979/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
松本零士の代表作の劇場用アニメーション。今も尚松本零士はこの作品を書き続けていると言うから、足かけ40年にわたって続いている息の長い作品だ。
本作に先行し、TVシリーズが開始されたが、大人気を博し、TV放映の途中で同じ物語を完全新作として本作は作られることになった。そのため、TV版では未だ観られないいくつものエピソードがここでは観られた。
放送局が少なかった私の田舎ではTV版は日曜の早朝に放映されており、日曜に遊ぶ友達との話題あわせのためにはなんとしても早起きして観なければならなかったという記憶を今も残している。是非映画版も観たかったのだが、私の家は子供を映画館に連れて行く習慣のなかったため、結局TV版放映後にTVサイズのを観ることになった。 それで驚かされたのは、なんと言ってもキャラデザインがTV版とはまるで違うと言うこと。TV版の鉄郎がそのまま松本零士作品の顔しているのに対し、ここでの鉄郎は凛々しすぎた。精神年齢もTV版よりは多少高く、TV版が子供だったのに対して、映画版ではむしろ少年というべき存在へと変えられている。鉄郎の精神年齢が引き上げられたお陰で、大人が観ても充分鑑賞に堪える作品に仕上げられているし、最後のメーテルとの別れのシーンも、こちらの方が映えるように出来ていた。たまたまちょっと前にテレビでオリジナル版が放映されたこともあって、観直してみたが、あの頃の思い出がぶわっと蘇ってきた。TV版はTV版で良いのだが、やはりラストの迫力が違う。
それに今観て分かることも多い。
何せTVシリーズは長かったため、話の中心がやや分かりづらいところがいくつかあったものだが、劇場作品になってその辺がすっきりまとめられていたこと。原作を読んだのはそれからずーっと後になってからで、その時、これだけの話をここまで凝縮してまとめられた事は驚きだった。登場するキャラクタも多いし、その分鉄郎の活躍機会も少なくはなってるため、鉄郎の心境に入り込んでの話が端折られてるのは少々残念だが(TV版エピソードで好きなのは、機械伯爵に憎しみを覚える鉄郎が、自分も機械伯爵のようになるのではないか?という恐れをメーテルに告白するシーンだった)、過不足無くそれぞれのキャラクタを映えさせてもいた。バランスが絶妙。
それと今観ても「これは凄い!」と言う演出が多い。止め絵で済ませられそうなシーンの中で、ちゃんとキャラクタが動いている。動かない絵柄ばかりアニメで見せられると、ここまで動くアニメがあったのか!と感じ入ることが出来るだろう。勿論最後のゴダイゴの歌も最高だ(私のカラオケ定番曲の一つ)。
ちなみに以降は恥ずかしいのでここでは書きません。
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