[コメント] トレマーズ(1990/米)
なんとも緊張感の希薄なモンスター映画。この緊張感の無さは殆ど確信犯的にカルトムービーを狙ったものだろう。しかしいかにも大真面目に一所懸命製作された雰囲気も醸し出していて、そのあたりのバランス感覚が面白い。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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怪物自体の人を食った造型、それはルックスもそうだが、例えば地中を突進しコンクリートの溝に頭を打ちつけて死んでしまうといったキャラクターの奇異さが良いし、この手のジャンルではお約束的な怪物の全貌を見せる前の被害の描写も巧妙に観客をくすぐる。鉄塔で固まって死んでいる男。山羊を飼っている男は地面に埋まって帽子だけ出ている等々。また、怪物からの逃走手段として棒きれで岩を棒高跳びのように渡っていくシーンは唖然とするくらい悠長だが、こういったジャンルのルーティーンを外した演出がカルトの資格と云えるだろう。振動を関知する怪物から逃れる手段として地面で微動だにせず直立するといった部分も同様だ。ヒロイン−フィン・カーターの不細工ぶりもB級カルトらしい。そしてガンマニアの夫婦(夫は『ファミリー・タイズ』のお父さん!)の突出した大活躍に及んでカルトとしてのテンションが炸裂する!このようなご都合主義だが映画らしい荒唐無稽な隠し玉の繰り出し方が実に見事だ。
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