[コメント] 居酒屋ゆうれい(1994/日)
オープニングは、滝のカットからディゾルブで猫に繋ぐ。雨が降って来て猫がはけ、居酒屋「かづさ屋」のある路地周辺を映す。そして萩原健一が出て来る。という出だしはいい調子だ。本編中、水は何度も出て来る。火もだ。
例えば、クレジットバックは火葬場の炎。その次のカットは海。水なら他に、川、金魚が泳ぐ防火用水、ホースからの水。酒。火なら、蝋燭の炎(有島一郎の死に神とフランキー堺のやりとり!)。蛍の灯り。「オバケ有ります」の札を燃やす炎。
ゆうれい−室井滋の心性がよく分からないというか、一貫性がなく、それが気持ち悪いところでもあり、面白いところでもある。酔っぱらった室井が「それじゃ、チャオ」と云って退場するのは好き。
山口智子も、まるで幽霊のように登場し、後半とり憑かれることを暗示するが、彼女の明朗で、めげない性格が一貫しているのがいい。本作の山口、めっちゃ可愛い。また、ほとんどのシーンで、首回りの開いたトップスを着ており、ちょっとかがむと胸が見えそう、実際見えるカットもある、というのは、緊張感の持続に随分と貢献している。寝間着を脱ぐカットでは、斜め後方からだが乳房も見えるのだ。
あと、居酒屋の常連たち−三宅裕司、西島秀俊(若い!)、八名信夫らがワイワイ楽しそうにやっている雰囲気がいいし、店を切り盛りする萩原や山口とのカッティングもよく繋がっている。
野球賭博のクダリや豊川悦司の顛末など、終盤で後味の悪い展開が続くのは困りもの。二人の女優の入れ代わりと、水と炎のモチーフは結局ごちゃごちゃして終わった感が残る。
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