ああ、そりゃ、俺は"レイモンド・チャンドラー症候群"な男ですよ。 誇りだとか、生き様だとか、そんな言葉が大好きですよ。だから、ストリップ ・バーでビリーがおっさんのドたまをぶち抜いたとき、「それでいい。つらい だろうが、それが男だ」とか思いましたよ。ええ。

でもね。

クッキーを買って店を出るビリーの姿を見て、「どうか、彼と彼女に不幸が 訪れませんように」と本気で祈ってしまいました。すまん、レイモンド。お前 を裏切ったワケじゃねぇんだ。でも、ちょっと...その...羨ましいとか思っ ちまったんだよ。

「俺のロッカーに近づくな。カラテ・チョップ！を喰らわすゾ！！」って、 私も言ってみたい。そして、ロマンチストが作ったクッキーを買って、静かな 道路を、急ぎ足で渡りたい。