[コメント] 鳥(1963/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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俺のコメントを読んで下さっても分かるとおり、1月27日現在、俺はほとんど古い映画をあんま見ていない。ほとんど現代映画。大体90年年代、80年代ばかり。ヒッチコックだって、『サイコ』を見て「すげぇ!」と思って、それから結局見ずに、これが未だにヒッチコック2作目。
最近の映画では当たり前(?)のように使う、静と動を用いた恐怖表現。正直、見てて全く怖くなかった。車が吹っ飛んだりしてるのをみて「やっぱ『サイコ』と違って金かけてるんだなぁ」程度しか思わなかったし、「ポール・バーホーベン監督がリメイクしたら鳥をショットガンで吹っ飛ばして、鳥が反撃で人間を貫通したりするんだろうなぁ」とかばかり考えていた。眠かった。
クライマックスの家のシーンは、現代映画で慣れてしまった俺でも、充分凄いとは思った。けど、、、これってなんかM・ナイト・シャマラン監督の『サイン』にどことなく似てる気がするんですが・・・。やはり、皆影響受けてるんだね、ヒッチコックは凄いよ。
で、鳥が襲う理由を一言も言わず「さぁ・・・」を連呼しまくる、この映画。話自体はシンプルでこういうの好きなんだが、やはりアホの俺にとってはもっともっと派手にぶちゃっどばっびちゃっぐちゃっばきっどかっバキっッ!ってやって欲しかったのが本音。
しかしこれは、そういうものを見る映画ではない、「静と動からくる恐怖感」を見るべき?うーん、、、、当時としては斬新かもしれないけど、やっぱ今見るとなぁ・・・。
映像技術的にも当時としてはこれが限界だろうし、例えこの時代に今のように軽々と惨酷描写を映像化できる技術があったとしても、ヒッチコックは使わなかっただろうな。
だって、これは「ホラー」で、俺が期待してたのは「ホラーコメディ」だもん(笑/つーても、この映画全然怖くないんですけど・・・)
まぁ、期待するもんが違ったな。
けど、上手な技術で静と動を上手く使い分け、恐怖を生み出す演出は見事。音楽も無駄に使わずでかい音で怖がらすだけのホラーではなく、映像で怖がらせるホラー。やっぱ上手い監督は本当に上手いよ。それは、いつの時代でもそう。
CGばっか氾濫させて、音でビビらして・・・それだけがホラーじゃないんですよ、それだけが映画じゃないんですよ。
静かな中の怖さ。鳥が群がってるなんでもない映像が怖く見える。それは動があるってことを観客が知ってるから。
ヒッチコックは上手いです。だけど・・・怖くなかったんですよねぇ(苦笑)
ところで鳥が襲う理由だけど、町の人は主人公が来てから襲い始めた=主人公のせいと言ってたけど、ドラマってのは主人公を中心にして起こるわけだよ。だから、主人公が来てから起こるのは当たり前!?特に某推理アニメはその路線まっしぐらのクセに誰も指摘しない。
いやぁ、よくぞ指摘したぞヒッチコック!(謎)
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